医者になってよかったこと。
綺麗事を言って生きていけること、だと思う。
世の中には多分、理不尽で、無情で、
’そんな綺麗事言ってんじゃねーよ!!’
と言いたくなることがたくさん、たくさんあるのだと思う。
医者として生きている限り、
患者さんのことを心から思い、患者さんとその家族のためにできることをしていれば許されるし、それが私たちが世の中に期待されていることである。
世の中が理想的になればいいのに、もっとみんなが幸せになれればいいのにと
怒り悲しみを感じることはあるけれど、
それは、自分が今日食べるものや寝るところに困っていないから考えられることなのだと思う。
別に決して大金持ちなんかじゃないし、世の中の言うようなオイシイ仕事では決してないし、
まして知り合いが医学部受験をしようとしたらやめとけと言うと思うけれど、でも、
やはり、すごく守られていて、贅沢な職業なんだと思う。
ボロ雑巾のように働いていると見失ってしまっていたけれど、
疲れ果てて休んでいざ振り返ってみると、気付かされる。