(太宰治の小説の話ではなく、それを元にした映画の話です。)
太宰治の未完の小説が元になっている。と知った時、
なるほど、それでか、と思った。
全然だめだめなんだけど、どこか憎めなくて、母性本能をくすぐるところがあって、
女性が自然と寄ってくる男、といえば、太宰治だ。
太宰は本当に、女性にモテただろうなあ、と思う。
正妻と娘が疎開している間に、何人もの愛人を作り、娘に会うために愛人と別れたくて偽妻を携えて愛人を訪ねてグッドバイしていく。ところが娘に会いたくてやっていたはずなのに、妻にバレて愛想を尽かされ田島自身が妻からグッドバイされてしまう。
太宰っぽい。
本来小説の田島周治は好色男という設定なのだけど、
この映画は大泉洋さんが頼りない、冴えない、でも意外と仕事はちゃんと頑張ってる田島を演じている。
大泉さんが演じる田島も、なんともいえず、可愛い。
小池栄子さんが演じる長井キヌ子の後に隠れている様子とか、可愛くて仕方ない。
太宰が最後までグッドバイを書いたら、こういう話にはならない気がするけれども、
なんだか、ふふふ、となる話だった。