よく「大人になって〇〇した」みたいな言われ方をする。
大概、大人になって聞き分けが良くなったり、余裕が出てきたり、懐が広くなったり、
成長したよね、みたいなニュアンスで語られることが多いと思う。
しかし果たして大人になったら本当に成長するのか?人は。
少なくとも私の周りの人は、いい人は昔から、それこそ中高生の頃からいい人だし、
無神経な人はおじさんでも無神経だ。
というか、地位とか肩書きがついたぶん厄介なことになっている人も多い気がする。
自分自身のことを振り返ってみると、
10代の頃と比べて、なんとか自分で食っていける職業に就かなければ、という
謎の焦り(高校生が考えることとして大変夢がないけれど)は資格をとったことで若干軽減したと思う。
いい子でなければいけない、という強迫観念も当時よりは小さくなったけれど、
でも、今でもそれが私をとても苦しめている。数年前の方がむしろ肩の荷は軽かった。
打算的な人とか、人を陥れる、ずるい人が苦手なのは変わらない。
自分は世の中の平均から少しずれている、という感覚もあまり変化がない。
環境とか、立場が人を作るというところはあるとは思う。
けれど、人間の根本的なところはあまり変わってはない気もする。
一方で、大学一年生の頃に書いた文を見返したりすると、
この10年で視野が狭くなっているというか、凝り固まっている感じがした。
もっと柔軟で突拍子もないことを考えていたはずなのに、
枠に収まってしまったんだな、みたいな。
この先の10年、20年過ごしたらどんなことになっているのか。
楽しみなような、心配なような。